特別企画第3回にしてラストの今回は、格闘技全般について書きます。

興味のない方はスルーしてください。

 

まずボクシングが今盛り上がってきてます。その牽引役はもちろん井上尚弥選手。

日本ボクシング界の史上最高傑作と呼ばれていて、それは世界の有力ボクシング雑誌が決めるPFP(パウンドフォーパウンド、もし体重が同じだとしたら誰が最強かのランキング)にて日本人で初めて1位となったことからも証明されています。
その強さは尋常ではなく、世界のボクシングの歴史上にも間違いなく名を残す稀有な日本人です。

大谷選手と同じく、これまで日本人が成し得なかったそれぞれの競技での真の世界一のプレイヤーということで、同時代を生きて活躍を体感できる我々はかなり幸運だと思います。

 

そしてその日本ボクシング界でネクストモンスターとの呼び声高いのが中谷潤人選手。

中学卒業後に単身アメリカに渡りボクシング修行を積んだというすごい経歴の選手で、そのアメリカ仕込みのボクシングスタイルから繰り出される攻撃の多彩さは井上尚弥選手以上だと言っても過言ではないでしょう。

プロ戦歴25戦25勝(19KO)の25歳、すでに世界二階級制覇しています。

今年行われたモロニー戦で最終ラウンド残り20秒で決めたパンチはすさまじく、早くも今年のKOオブザイヤー候補となってます。

 

 

 

次はキックボクシング、ではなくムエタイについて書きます。

キックボクシングとムエタイは似ていますがルールが少し違っていて、最大の違いはムエタイは肘打ちと首相撲がある、というところです。その点においてキックボクシングより過酷と言えます。それと採点基準もかなり異なり、ムエタイは独特の芸術的要素もあるようです。

そのムエタイで現在活躍している日本人こそが前回チラッと名前を出した吉成名高選手です。

はっきりいって日本のメディアではほとんど扱われないので格闘技好きな人以外には知られてないと思いますが、日本人として初めてラジャダムナン・ルンピニー統一王者となり、さらにプロムエタイ協会王者にもなり人類初のムエタイ三大タイトル獲得という偉業を達成しています。

日本のRIZINにも参戦していて5戦5勝、特に肘打ちが得意なようです。

那須川天心もキックルールでは最強でしたが、天心より実力も実績も上と言う評判も多く、今後のさらなる活躍にもかなり期待できます。

この試合のKOは衝撃的です。

 

 

最後にフルコン空手について、フルコンといえば極真なのですが、大山総裁が亡くなり極真が分裂したことによってそのブランド価値はかなり落ちたと言わざるをえません。

私の中では数見とフィリョが決勝で戦った第7回世界大会までは見ていましたが、それ以降はあまり見ていません。各団体がそれぞれ世界大会を開催してわけわからなくなったからです。極真の世界大会の中で個人的に最も印象深いのが第4回世界大会で、同じ意見の人も多いと思います。

日本人に有利なように組み合わされたトーナメントなど問題点も多くありましたが、準決勝と決勝がすべて日本人対外国人となったことや、会場の雑多な雰囲気、昭和感のある映像など、今見ても魅力的です。

その第4回大会で優勝したのが現極真会館館長の松井章圭氏です。当時から距離をつぶして体力任せで突きや蹴りを連打する日本人が多い中、距離をとって多彩な足技を駆使する貴重なタイプの選手で、それだからこそ外人選手とも噛み合い、名勝負が生まれました。

準決勝はマイケル・トンプソン、決勝はアンディ・フグとのちにK-1でも活躍する実力者と対戦し勝利しました。この2人はその後正道会館の選手(角田氏など)をぼこぼこにしているので松井氏がいかに強かったのかも改めてわかりました。ただ一つだけアンディ側の意見を書くとすればその日だけで木元、桑島、アデミールダコスタ、増田章と屈指の強者と死闘を続けた後だったので動きに精彩を欠くのは否めません。

 

極真史上最高の名勝負と言われている試合。
1分15秒あたりのトンプソンの蹴りに合わせる軸足刈りはあまりに芸術的です。

 
第4回世界大会決勝戦。
アンディは明らかに脚を攻撃されるのを嫌がってます。

 

以上で特別企画は終了です。ありがとうございました。