現在低いコーヒーテーブルを高いダイニングテーブルにするというリメイクに取り掛かってます。

 

元のコーヒーテーブルがこちら

 

アメリカのアンティーク家具で天板に石板が嵌め込まれています。

 

太くて彫刻的な脚も特徴です。

 

 

ただ最初これをダイニングテーブルにしたいというご相談を頂いた時は、かなり厳しいと思いました。

新たな脚をどうやって取り付けるかアイデアが湧かなかったからです。

 

一旦古い脚を全て壊すことも考えましたが、お客様の脚上部の彫刻は残したいという一言がヒントになって、脚の上部だけを残してそこに新たな脚を嵌め込むような構造を思いつきました。

元の脚が9cm角とかなり太いのでそれより一回り小さい脚をそこに嵌め込むような構造です。

 

まず元の脚を上部のみ残して切ります。手ノコで切りました。

 

この段階ではまだフラットではないので、完全な平面を作るために板を渡してトリマーで削りました。トリマーが落ちかねない場所は片方だけ下駄を履かせて加工しました。

 

ノミで整えて天板と平行な平面ができました。

 

そこにトリマーとノミでホゾ穴を整形しました。

 

テーブル側の加工はこれで終了です。

 

 

新たな脚を色味が近いオーク材で作ります。

ちょうど40mm弱の材料があったのでそれを2枚接ぎ合せて70mm厚の材料を作ります。

 

PIボンドをつけてハタガネで締め上げることでパッと見では2枚から作ったとはほぼ分からないような部材ができました。

 

ホゾを加工して、先すぼみに脚を整形しました。

 

それをPIボンドを入れて嵌め込み、さらに準備していた補強材を周り三方に取り付けます。

上部に部材を渡して2本同時に締め付けることで、脚が変に傾くことを防いでいます。

 

根元にぐらつかないように補強材をボンドとネジで留めます。これで強度は完璧です。

ひっくり返して見えるところのみプラグでふたをしています。

 

 

オイルステインで着色してほぼ完成です。

 

かなり似た色に近づけられました。

 

補強材がいいデザインにもなっていて元からこういうテーブルだったかのような出来栄えになりました。

 

あとは軽く天然オイルを塗って完成です。

 

今回のリメイクは構造を考えるところから実際の加工まで、創造性を働かせながら楽しく最高の仕事ができました。

また納品が終了しましたらご報告させて頂きます。