こんにちは、キムラケイゴです。

福岡は先週の豪雨で南部地域で大きな被害が出ています。
今回の豪雨の特徴は局地的なことで、福岡市近辺は雨も降ってないのに朝倉市は雨が降り続いて大変なことになりました。被害に合われた方、心よりお見舞い申し上げます。なんとか人生を再建されるように願うばかりです。

うちの工房は古賀市にあって毎日雨は降り続いていましたがそこまでひどくはなく建物に被害があるようなことはなかったのですが、違うところで被害にあってしまいました。
それは納品前の家具達です。

ちょうど今週納品予定の家具がたくさんあったのですが、それを工房に置いていたところ、連日の雨による想定を超える湿気によって、家具が反ったり膨張したりして修正を余儀なくされてしまいました。こんなことは初めての経験です。

無垢の板は湿度が高いと水分を吸って膨らみます。また、テーブルなどで片面だけ水分を吸うとその面だけが膨らんで反りが発生します。それはある程度までは反り止めやバッファとしての隙間を作っておくことで回避できるのですが、今回はその想定を超える湿度で、逆に一般的には家庭内は乾燥しているので縮みにも対応するように作る必要があり、そちらを重視して作っていた結果、被害を被ってしまいました。

 


反りを抑えるための端ばめという技法。反りは抑えられても伸縮は抑えられない。基本的に伸縮を抑えるのは無理で伸縮しても見栄えや機能に問題がないように作るしかない。

 

上部写真のキッチン用シェルフの背板も膨張に耐えれるように1枚につき1.5ミリずつの隙間をあけておいたのですが、それを超えて一部本体を破壊して膨らんでしまいました。そこの部分のみ修正して本日納品させて頂きました。納品写真はまた後日載せさせて頂きます。

別のお客様用のテーブルは反り止めの抑止力を超えて反ってしまい、現在養生中です。最近やっとわかってきたのですが、雨の日は板を普通に置いておくと上面が水分を吸って上面が膨らみ、晴れの日は上面が乾燥して上面が縮みます。天気と相談しながら板の置き方を毎日変えないといけなかったのですが今回反り止めをつけたので油断していたところ少し反ってしまったので納品期日をずらして頂きました。T様、ご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんでした。何とか自然に反りを戻してさらに反り止めをより強力にして納品する予定です。一旦家に入れてしまえば、極端に湿度が変化することはないので大丈夫だと思います。

無垢の板が湿度によって伸縮するというのは頭でわかっていても体感で感じないとなかなか理解できないと思います。3%変化するとすると50cmのものでも1.5cm、とんでもない大きさです。
無垢の家具を作ることはその伸縮とどう付き合っていくかという戦いでもあります。
膨らんでも縮んでも対応できるように考えて作らないといけないのが難しいところです。