スツールが個人的に好きです。

イスにもテーブルにもなり、場所もとらず、いろんなデザインを楽しめます(使う面でも作る面でも)

 

 

そんな中、先日デザインしたキカスツール。

これは世界初のデザインかもと思い始めました。

 

このシンプルで普遍的なデザイン、おそらく考えたことがあるデザイナーは少なくないと思います。

しかし、家具デザインを20年以上見てきた私は、未だかつて見たことはありません。

 

その最大の理由は構造の問題だと思われます。

どうやって強度のある接合をするか?

それがこのデザインでは非常に難しいです。

私は蟻組プラス隠しネジ留めという技法を用いましたが、蟻組の繊細な精度が求められます。

ネジ止めはなくてもおそらく大丈夫ですが、収縮した時の不快な目違い(段差)を防ぐために外側を止めて内側から縮むようにしているという意味があります。

 

 

蟻組はゆるすぎてもキツすぎてもダメで、これ以上固いと入らないというギリギリのところの精度で強く叩いてやっと入るくらいにしていますので、かなりの強度が期待できます。

 

ちなみにネットで検索したところ、似ているスツールが2つ見つかりました。

 

ジャンプルーヴェ デザイン

KANADEMONOさん

 

ともに4脚を一体化させてそれを垂直方向に嵌めている構造だと思います。

プルーヴェの方は座面にホゾを貫通させることでさらに強度を出しています。

4脚一体であればそれだけ強度が高まりますので垂直方向へ嵌めるだけでもそれなりの強度が期待できますが、脚が一本ずつ別々の場合はそれでは弱すぎるので違う方法が必要になります。

 

このスツールはこれから一押ししていきます。