こんにちは、キムラケイゴです。

今回は私の代表作になるであろうmilk crown stool のデザインの源泉と思考過程を、盗作ではないということの証明も兼ねて書いてみたいと思います。

まず最初は、ミナペルホネンタンバリンの生地を使って今まで世の中になかったようなデザインのスツールを作ってみたい、という初期衝動から始まりました。

その時点でテーマとしてぼんやりあったのは、クラフト、手作り感、彫刻的、有機的、縄文式土器のような力強さ、、などで、ミナペルホネンの生地に融和するような木部を、大量生産では決して作れないような技法で作りたいと思ってました。

 

縄文式 火焔型土器

 

そしてタンバリンの丸いデザインから丸いクッションをメインに考えて、それ単体でも使えたり、それを置いて椅子にもできるというアイデアを思いつきました。

そこで課題になったのがどうクッションを固定化するか、というところです。

固定化するためには周りに”ふち”が必要なので、それをどんな形にすればいいのか考えていた時に、縄文土器の火焔型土器などのイメージも合わさって、周囲を波模様にすればいいというアイデアに至りました。

 

そしてそのアイデアをスケッチしているときに、さらにミルククラウンというモチーフが頭に湧きました。

 

 

それら全てのアイデアをまとめて現在のデザインと、スツールの名前が決まりました。

 

ただそこから困難を極めたのが製作工程です。

波模様の部分をどう作るか、脚の接合部分をどういう構造にするのか、多くの課題がありました。

特に周囲の輪っかの部分の製作は難航しました。

はっきりと製作方法を考えないままに製作に入り、正直うまく形にできる確率は50%ぐらいだと思っていました。

まず輪っかを作ることはなんとかうまくいったのですが、そこから波模様にするところが非常に難しかったです。

曲面のモノを曲線で切っていくという木工の常識では困難な加工でしたが、ある方法を見つけて何とか形にすることができ、完成させることができました。良かったです。

 

 

新しい発想と、高度な木工技術によって生まれたこのスツールは、私の代表作の一つになってくれると思います。

プロトタイプにつき非売品です。これから他メーカーでの商品化を目指していきます。