こんにちは、キムラケイゴです。
今回はTripod Tableのデザインがどこから生まれたのか、その思考過程を書いてみます。
まず最初のアイデアは”全ての脚の形が違う丸テーブル”というものです。
このアイデア自体はいろいろとスケッチを描いている時にふと思いつきました。
この時点ではまだ脚の本数は決まっていません。
脚の本数を4本にするか3本にするか検討した結果、4種類の異なるシンプルな形を考案するのが難しいということで、丸脚、四角、三角の3本脚にすることに決めました。
そこで2つの有名な3本脚のローテーブルのデザインを思い起こしました。
それが次の2つです。
一つ目はジャンプルーヴェのゲリドンバステーブルです。
脚3本をテーブルの下で金具でつないでいるのが特徴の超有名かつ人気のテーブルです。
ただ実際に使う時には、脚が外に出ている分少し邪魔になるのではないかと思います。
もう一つがイサムノグチのラダーコーヒーテーブルです。
これは脚の1本が船の舵のようなデザインで残り2本が金属の脚というのが特徴です。
ジャンプルーヴェのほどは有名ではないです。
これらを参考にしつつ、3本脚の丸テーブルをデザインしようと試みたのですが、ここで一つ大きな課題が持ち上がりました。
それは3本脚の丸テーブルは構造的にどうしてもバランスが悪くなり体重をかけた時に転倒の恐れがあるということです。
それを解決する方法は2つあって、それがジャンプルーヴェのように脚を外に出すか、イサムノグチのようにテーブルの形を三角形に近くするか、というものだということに気づきました。
三角形に近くすると脚から最も遠い地点までの距離が短くなるので格段に倒れにくくなります。
脚の特徴を際立たせるためにテーブルの形はできるだけシンプルな方が良かったのですが、脚を外に出すと邪魔だと思ったのでやむなくテーブルの形を丸から三角形に近いおにぎり型に変更することにしました。
そして生まれたのがTripod Tableのデザインです。
脚は材料も変えることで色も変わり、より特質を際立たせるようにしました。
試作品のためお店には展示していませんが、工房から一時的に持ってくることは可能ですので興味がある方はご相談ください。