こんにちはキムラケイゴです。

新作のコンパスチェアを紹介します。

以前より半肘のダイニングチェアを探しているというご意見が多く、私自身その有用性を知っているのでいつか作りたいと思っていましたが、なかなかデザインをまとめることができずに後回しになっていた半肘の椅子をやっと制作することができました。

ダイニングチェアを大きく分けると、肘なし、肘ありの2種類があり、さらに肘ありを半肘と全肘の2種類があります。

それぞれメリット、デメリットがあり、半肘のメリットは椅子を後ろまで引かなくても出入りできること、全肘のメリットはしっかりゆったり肘を置けることです。それぞれの逆がデメリットになります。

特にダイニングチェア置いては、肘を少し置けるだけでもだいぶ楽な体勢がとれますのでその価値は大きいと思います。

代表的な半肘の椅子といえばウェグナーのYチェアです。


(sempre.jp様のHPより)

これは恐らく日本で最も売れているデザイナーズチェアで、座り心地も抜群と言われています。
あえて難点をいえば欧米サイズなので少し大きく肘がテーブルの下に入らないことと座面のペーパーコードが少し痛みやすいことです。まあしかし、評価は高い椅子です。

今回はそのYチェアも意識しつつ、何か今までにない新しいデザインコンセプトの椅子が作れないかと考えて、行き着いたのがコンパスのような脚というコンセプトです。

このデザインは一つだけ非常に難しい課題があって、それは前後の脚が同一平面上にあるので場所をとらないように椅子を後ろすぼみにするためには脚を前後方向に角度をつけないといけないということです。

写真ではわかりにくいですが、真上から見た時に脚が後ろすぼみになっています。
そのために脚と貫のホゾ加工はとても難解で手間がかかるものになってしまいました。
ここが制作の上での課題ですが、今後治具を作るなどして効率化できれば定番化もできそうです。

全体的にかなり手間がかかる椅子ですが座り心地は悪くないので、今後お客さんの反応を見ながら改良して定番化を目指していきたいと思います。

とりあえずしばらくは出来立てということで税込75,000yenで販売していく予定です。

コンパスチェア チェリー材(背中の丸棒はブラックウォルナット)
W540 D500 H690 75,000yen